おかげさまで当財団は設立30周年を迎えることができました。かながわ考古学財団は、1993(平成5)年10月21日に神奈川県により設立され、2011(平成23)年4月1日に財団法人から公益財団法人へ移行しています。
これまで埋蔵文化財と向き合って発掘調査という手法により、宮ケ瀬ダムに沈んだ遺跡や、古都鎌倉を取り巻く山稜部の発掘をとおして、開発に先立つ記録保存調査や、史跡等の指定を目指した学術調査を実施してきました。
特にこの10年は激動の時期であり、新東名高速道路等の建設に先駆けた膨大な発掘作業量を、全国より応援して頂きながら進めてきました。これからも大規模調査は継続しますが、この節目を機会とし、新たな技術を取り入れながら、公益目的事業である埋蔵文化財の発掘調査の質をさらに高めていこうと、職員一同決意を新たにしております。
さらに、発掘調査と両輪であります、普及事業も精力的に行なっていきたいと考えております。
その一つとして、設立30周年記念「パネル展示会・一般参加型イベント」を開催することとなりました。当財団が実施してきた発掘調査のうち、特に20周年以降の10年にスポットをあて、特筆される調査事例とともに、財団の歴史などについて、皆様に知っていただくことにより、埋蔵文化財保護への理解、当財団の活動へ理解をいただくことの一助となれば幸いです。
最後に発掘調査や普及事業を実施するにあたり、多大なご指導とご協力をいただいております関係諸機関に御礼申し上げますとともに、日々、発掘作業や出土品整理作業に関与していただいている皆様に、深く感謝申し上げます。